現代の知能検査は流動性推理、つまり学んだ知識に頼らず未知の問題を解く力を測ります。この検査で使う3×3の行列課題は、レーヴン漸進的マトリックスの研究で整理された規則の型に基づいています。ある属性が行の中で一定に保たれる、三つの値が各行・各列に一度ずつ配置される、量が一定の幅で増えていく、といった型です。語彙にも計算にも学校教育にも依存しないため、ひとつの検査がどの言語でも成り立ちます。
結果は平均100、標準偏差15という見慣れた尺度に置かれます。ただし本検査は代表標本による標準化を行っていないため、この数値は規準に照らした得点ではなく推定値です。単独の数値ではなく信頼区間をお読みください。疲労、注意の乱れ、この種の課題への慣れは、それぞれ結果を数ポイント動かします。診断に使える得点の根拠となるのは、WAIS-IVやスタンフォード・ビネーのような監督下の検査だけです。
知能は変わるのか 流動性推理は成人期の初めに頂点を迎え、その後ゆるやかに下がりますが、蓄積された知識は何十年も伸び続けます。睡眠、教育、心血管の健康はいずれも、その日の成績に測定できるほどの影響を与えます。
なぜ36問なのか 難易度の幅全体にわたって十分な問題数を置くことで、妥当な誤差の範囲に得点を位置づけつつ、検査を30分に収めています。毎回、規則から新しい問題が組み立てられるため、出回るような解答表は存在しません。